介護保険で利用できたサービス

認知症

介護保険を利用することで、デイサービスなどの介護施設の利用が出来ると言うことは知られていますが、他にもさまざまなサービスがご利用できることをご存知でしょうか? 父の認知症介護で利用できましたので経験からご紹介します。

※なお、お住まいの自治体や要介護度により利用可否や利用料金も異なりますので予めご了承ください。詳細は最寄りの自治体、包括支援センターなどにお問い合わせください。

◆どんなサービスが利用出来る?

  1. 介護タクシーチケット

  2. GPS(追跡装置)

  3. 歩行機、折りたたみ車イス

  4. 介護ベッド

1. 介護タクシーチケット

電車の回数券のような綴りになった、介護タクシー専用チケットです。

1回の利用距離によって消費チケットの使用枚数が変わるシステムです。

車いすごと運べるワゴンタイプのタクシーを介護タクシー会社へ事前予約し、通院時に利用できます。

メリット:

 私は自家用車を所有しておらず、父は認知症以外に眼科や内科への通院が必要でしたので、交通機関利用時の乗り降りの負担や交通費を気にせずに利用でき、とても助かりました。

介護タクシーの運転手が要介護者の扱いに慣れており、丁寧な対応。

デメリット:

 年度ごとで枚数に限りがあります。利用距離が長くなるほど1度の利用で使用するチケットの枚数が消費されます。チケットを使い切ってしまうと翌年度になるまで、新しい介護タクシーチケットは支給されません。

私どもの場合には、下記のようにチケットとチケット対象外の有料サービスを併用し、使い分けていました。

近距離: 通常の有料タクシーを利用。

遠距離:介護タクシーを利用。年度内で介護タクシーチケットを使い切った場合は、カーシェアリング(有料の一般的なサービス)を利用。

 介護タクシーサービスを行っているタクシー会社が少なく、それぞれ介護タクシーの台数も限りがあるため、事前予約で利用希望日に予約が取れない・取りにくい場合がある。

2. GPS(追跡装置)

 認知症では「徘徊」があります。ニュースなどでも徘徊した家族が事故にあわれたり、行方不明で捜索願を出すケースも後を絶ちません。

特に認知症患者本人が元気に歩ける介護初期の段階であれば、家族が気を付けていても睡眠中や目を離したすきに、当人が徘徊で外に出てしまう恐れがあります。

 介護保険を使い、通常1万円前後する警備会社のGPSサービスが、月額300円ほどで利用できました。

メリット:

・購入するより、利用料金の負担が低い。

・スマホアプリで位置情報をリアルタイム検索可能。

・GPS発信機の交換用バッテリーも定期的に自宅配送してくれる。

デメリット:

 ・発信機は小型(手のひらサイズ)だが、カバンか上着などに忍ばせる必要があり、発信機をセットしたそれらを当人が所持せずに外に出ると後を追えない。

補足:

 私の場合は、父が必ずウエストバッグを身に着ける習慣があり、認知症発症後もその習慣は変わりませんでしたので、GPS発信機をバッグの内側と同じ黒い小袋に入れてから、バッグの底にセットし当人が気づくことなく見守ることができました。

3. 歩行機、折りたたみ車イス

認知症が進行するごとに、父も歩行が困難になってきました。

自宅内では、介護保険でレンタルした歩行器を、外出時は同じくレンタルした折りたたみ車イスを利用していました。

メリット:

・購入するより、利用料金の負担が低い。

・軽量で折りたためる車イスは介護タクシー以外の車利用時や、帰宅後に収納スペースを取らない。

デメリット:

・折り畳みのため、車いすのタイヤが小さく細め。段差など上げにくい面もあり。 

4. 介護ベッド

さらに症状が進行し、自宅の布団で寝起きするのが困難になった際、レンタルしました。

メリット:

・購入するより、利用料金の負担が低い。

・利用開始時の組み立てや、不要となった際の分解・回収も業者が自宅にきて行ってくれる。

デメリット:

 特になし

これから介護サービスを利用する方、利用中でも知らなかったという方に少しでも参考となり、介護費用や介護の負担が減るきっかけになれば幸いです。

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