- 療養病院とは何か
- 特別養護老人ホームへの入居の難しさ
- まとめ
療養病院とは何か
父が亡くなる5か月前、腎不全で入院。その後、前立腺肥大が原因と診断を受け尿が排泄しにくくなった部位を手術し無事成功しましたが、その後、腸閉塞で点滴のみの入院生活となりました。
一般の病院では、治療が目的であり、ある程度回復が見られると寝たきりでも退院を余儀なくされます。
腸閉塞も徐々に回復するも点滴のみの生活となり、全身は骨と皮にやせ細り、寝返りも自分で行えないくらい体力も落ちます。さらに痰も自分で出せないため看護士に痰の吸引も定期的に実施してもらうことが必須となっていきました。
入院して4か月以上経過した時点で、入院先の相談員より療養病院への転院について説明を受けました。
入院前後の症状は回復と医師に診断されたとは言え、上記の状態で自宅介護は困難で、痰の吸引など医療行為にあたる部分は素人の家族ではおこなえません。
一般病床で症状は回復したものの、自宅介護が困難もしくはリハビリが必要な患者が利用するところを「療養病院」ということをそのとき初めて知りました。
つまり、医療行為はするものの、基本的にはリハビリが目的であり、積極的な治療や延命措置をおこなうところでは無いということです。
もちろん、寝たきりの状態からあらたに病気が発症した場合には一般病床のある病院で治療も受けられます。病院によっては一般病床と療養病床を両方そなえているところもあるようです。残念ながら入院していた病院は一般病床のみで療養病床はありませんでした。
ただ、療養病院も長期間入院できるわけではないため、当時転院先を複数見学し、費用や施設、場所など説明を受け短い期間で転院先を決めなければなりませんでした。転院先から、さらなる転院の可能性もあることをお聞きしていました。
なんとか転院先が決定して、療養病院へ転院させる直前に父の容態が変わり、亡くなってしまいました。
特別養護老人ホームへの入居の難しさ
何も介護について知識が無かった頃には、自宅介護が難しくなったときには特別養護老人ホーム(特養)に入所できればと安易に考えていました。
父が認知症と診断され、介護サービスを利用するようになり調べてみると、高齢者の人口が増加し、認知症をふくめた介護が必要な方の人数も年々増えています。
その一方で介護に従事する介護士の人数や施設の数は不足しているのが現状です。
介護サービス付きの施設が高額なことに比べて、特別養護老人ホームは介護保険の適用でかなり利用料が安くなります。
つまり、介護が必要な家族が特養への入所を希望することが増えても、受け入れる特養の数が足りていないため、申し込みはしていても特養の空きをひたすら待たねばならないという現実が待っています。
私たち家族も特養の申し込みをしつつ、日常的にデイサービスの通所サービスを週2-3回利用。月に何度かショートステイ(短期宿泊介護)を利用していました。
ただ、ショートステイも他の利用者との兼ね合いで、事前に1泊2泊の予約が必要となります。ショートステイの予約がいっぱいで利用できないこともあります。
それでもデイサービスは5‐6時間ですが、ショートステイを併用することで家族の介護負担が軽減されます。特養への入所は簡単ではないのです。
まとめ
・特養への入所は申し込みは早めに。ただし空きが何年先になるかわからない。
・療養病院や一般の介護サービスつき老人ホームなどは月額約30万円以上の資金が必要。どちらの選択肢も現実は厳しい。
・特養への入所申し込みは済ませて、入所可能となる日まではデイサービスやショートステイを活用し、介護負担を少しずつでも減らしていくことが大切。
このことを意識して老後資金などしっかり準備していかないと、介護者である家族も生活が立ち行かなくなります。
コメント